この度アメリカの在外ロシア正教会の代表団が来日し、同時に「クルスクの木の根の生神女イコン」を持参して公開される。
11/8,9は京都正教会にて、また11/10には東京復活大聖堂教会でイコンの披露、祈祷が行われる。
1295 年生神女誕生祭の日、タタール(モンゴル)軍の侵攻によって焼野原となったロシア、クルスク郊外の森で、木の根もとに裏返しで落ちている聖像を、ある猟師が発見した。
持ち上げたところに泉が湧いたので、猟師と友人らは、聖像を記念・安置する小会堂(ほこら)を造った。ところが再度タタール軍が侵攻し周辺と小会堂を焼きはらい、聖像を真っ二つに割ってしまった。
タタール軍の捕虜になったボゴリュボフ神父は解放後、その聖像を再発見し一つに合わせたところ、元通りに直った。1597 年皇帝フェオドル・イワノヴィチが聖像をモスクワに移し、9人の預言者を聖像の周りに画き加えた(主の降誕について預言したソロモン、ダニエル、エレミヤ、イリヤ、ハバクク、ギデオン、イザヤ、モーセ、ダビデ)。
1917 年ロシア革命の時、戦乱により聖像を安置していた聖堂が爆破されたが、聖像は無傷であった。そのあと、難を逃れた聖像は、在外シノド(亡命した在外ロシア正教会)のアナスタシイ府主教たちと共にアメリカ、ニューヨークに渡った。渡米後も、癒しの奇蹟などが相次いで起こり、奇蹟の聖像として敬愛されている。