日本正教会

◆ セラフィム府主教 ハワイの「潤膏奇蹟聖像」を迎える (11/21) ◆

 京都ハリストス正教会が主教座祝福五五周年を記念して招致した、在外露正教会イヴィロンの生神女(しょうしんじょ)聖堂(米ハワイ州ホノルル市カイルア)の聖油(ミルラ)を恵む[以下、潤膏(じゅんこう)]奇蹟聖像(イコン)「イヴィロンの生神女」が聖像保護者(guardian)であるネクタリイ・ヤンソン(Nectarios Yangson)司祭に帯同されて、京都での式典に先立ち11月21日(金)東京復活大聖堂を訪れ、セラフィム府主教はじめ東京大主教教区教職者・信徒らが出迎えました。

 祭服を着用した教区司祭5名らが香を焚き大聖堂西門下外で整列して待つ中、 潤膏聖像一行が境内へ9時半過ぎに到着し、司祭らが先導して大聖堂に入堂。セラフィム府主教が至聖所で出迎えた後、大聖堂中央聖所で、はじめにネクタリイ司祭司祷によりイヴィロンの生神女聖像の感謝祷が、続けて、セラフィム府主教司祷により日本の光照者亜使徒聖ニコライに依頼する祈祷が、週日午前にも関わらず200名を越す参祷者と共に献じられました。

 祈祷後、セラフィム府主教は大聖堂への立ち寄りも申し出たネクタリイ司祭への謝辞と共に、十字架金箔押し特製漆器に納めた亜使徒聖ニコライ不朽体(ふきゅうたい)をハワイのイヴィロンの生神女聖堂に下賜しました。

 ネクタリイ司祭は、「京都正教会からの招致に応え2020年に予定していながらコロナ禍により5年遅れた来日が、生神女の仲保と主の恩寵により『今』この時に成就しました。私が聖像保護者を拝命しているこの奇蹟聖像は、各国の正教徒からの招請に応えて17年以上に渡り世界中を訪れています。救いを心から求める人々に対して、聖なる聖油のみならず肉体的な病の癒しを含む様々な奇蹟を以て応えてくださってきている至聖生神女聖像を今この聖堂にお連れすることが出来たことを皆さんと共に主に感謝します」との答礼の言葉と共に、ハワイの「イヴィロンの生神女聖像」大判板張りの写し(レプリカ)を贈呈しました。

 祈祷と謝辞の交換の後、参祷者は聖所中央アナロギイに安置された「イヴィロンの生神女」潤膏奇蹟聖像の額ガラスの聖油に拝領した小版の印刷聖像を載せた後聖像に接吻し、ネクタリイ司祭から額に聖油の塗油を受けました。

 感謝祈祷後に到着する信徒らも絶えない中、ネクタリイ司祭はにこやかに塗油を続けた後、東京都谷中霊園の亜使徒聖ニコライ墓前を詣でて祈祷を献げた後、一行は京都へ向かいました。

☆ハワイの潤膏奇蹟聖像☆
 この度来日したハワイの潤膏奇蹟聖像は、「アナトリイ・リョヴィン管轄司祭がホノルルの教会創立50周年記念にトロント市の教会書店で購入し、ネクタリイ司祭が誦経奉仕をしていた1997年に聖名祭祝いとして贈られたもので、モントリオールの潤膏奇蹟聖像を原画(オリジナル)として露正教会ソフリノ聖器物企業で制作された板張り印刷聖像[約7x9九インチ(約18x23cm)、厚さ約1インチ(2.54cm)]。加えて、ネクタリイ司祭が購入した、聖山アトスからのギリシャ人修道士が描いた手書きの磔刑像も潤膏した。

 ネクタリイ誦経者(当時)が自宅祭壇に生神女聖像を飾って10年を経た2007年初夏に家庭祭壇付近でかすかにバラの香りがして磔刑像の傷跡に液体の小さな粒があることに気付いたものの潤膏が続くか見守ることにしたところ、やがて乾き、数ヶ月して忘れていた10月初旬に生神女聖像の潤膏に気付き、アナトリイ長司祭と相談した上で聖堂に生神女聖像と磔刑像を運び、司祭の確認と祈りを経て、14日㈰生神女庇護祭に参祷者に披露され、それ以来潤膏が続いている。

 2008年6月に在外露正教会サンフランシスコとアメリカ西部のキリル大主教は、「ハワイのイヴィロンの生神女潤膏聖像」を真正なる奇蹟として公式に承認してネクタリイ誦経者(当時)を聖像保護者(Guardian)に任命すると共に、正教の各地教会と修道院を訪問する祝福と奨励をした。豊かな潤膏が続く生神女聖像が各地を巡回し、潤膏が穏やかになった磔刑像はハワイの聖堂に留まって信徒を庇護している」とのこと。(ハワイのイヴィロンの生神女聖堂サイト掲載記事を要約)


ネクタリイ司祭に捧持されて復活大聖堂に入堂する「イヴィロンの生神女聖像」(11/21,東京)


「イヴィロンの生神女聖像」による会衆への祝福


ネクタリイ司祭司祷によるイヴィロンの生神女聖像の感謝祷


ネクタリイ司祭司祷によるイヴィロンの生神女聖像の感謝祷


大聖堂聖所中央に安置された「潤膏奇蹟聖像」と亜使徒聖ニコライ不朽体棺(ラーカ)


セラフィム府主教司祷「日本の光照者亜使徒聖ニコライに依頼する祈祷」


セラフィム府主教による発放詞


奇蹟聖像を捧持しての来堂に対する府主教謝辞


亜使徒聖ニコライ不朽体がイヴィロンの生神女聖堂に下賜された


ハワイの潤膏奇蹟聖像大判板張りの写しが、ネクタリイ司祭から贈られた


額ガラスの聖油に印刷聖像を載せた後奇蹟聖像に接吻し、塗油を受ける


潤膏聖像への接吻を待つ行列。祈祷後に到着する信徒も絶えず、列が退かない


溢れ出た聖油が染みた所を示すネクタリイ司祭


亜使徒聖ニコライ墓前祈祷(東京都谷中霊園)