日本正教会

至聖なる我が女宰生神女永貞童女マリヤの進殿祭

11月21日/12月4日(ユリウス暦/グレゴリオ暦)

使徒経 エウレイ9:1-7

  • 9:1 さて、最初の契約にも、礼拝の規定と地上の聖所とがありました。
  • 9:2 すなわち、第一の幕屋が設けられ、その中には燭台、机、そして供え物のパンが置かれていました。この幕屋が聖所と呼ばれるものです。
  • 9:3 また、第二の垂れ幕の後ろには、至聖所と呼ばれる幕屋がありました。
  • 9:4 そこには金の香壇と、すっかり金で覆われた契約の箱とがあって、この中には、マンナの入っている金の壺、芽を出したアロンの杖、契約の石板があり、
  • 9:5 また、箱の上では、栄光の姿のケルビムが償いの座を覆っていました。こういうことについては、今はいちいち語ることはできません。
  • 9:6 以上のものがこのように設けられると、祭司たちは礼拝を行うために、いつも第一の幕屋に入ります。
  • 9:7 しかし、第二の幕屋には年に一度、大祭司だけが入りますが、自分自身のためと民の過失のために献げる血を、必ず携えて行きます。

福音経 ルカ10:38-42,11:27-28

  • 10:38 一行が歩いて行くうち、イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。
  • 10:39 彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。
  • 10:40 マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」
  • 10:41 主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。
  • 10:42 しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」
  • 11:27 イエスがこれらのことを話しておられると、ある女が群衆の中から声高らかに言った。「なんと幸いなことでしょう、あなたを宿した胎、あなたが吸った乳房は。」
  • 11:28 しかし、イエスは言われた。「むしろ、幸いなのは神の言葉を聞き、それを守る人である。」

出典先:日本聖書協会 新共同訳

生神女マリヤ進堂祭

生神女マリヤ進堂祭

生神女マリヤ進堂祭

(ユリウス暦 11月21日/グレゴリオ暦12月4日)

ヨアキムとアンナは、二人の間に生まれた女の子を心をこめて愛しました。そして注意深く、愛情をもって育てました。でも二人共、この子が神様から与えられた特別の贈り物であり、二人共この子を神様のお仕事に差し向けることを前に神様にお約束していたことを忘れてはいませんでした。そこでマリヤが三才になると、聖ヨアキムと聖アンナは、娘を神様に献げると言う約束を果たし、神の宮での娘の教育に熱中することを急ぎました。正しい両親はその時、悲しみと大きな喜びの入り混じった気持ちでいました。悲しさと言うのはただ一人の子供と別れ別れに暮らさなければいけないこと、大きな喜びは神様のためになるという喜びです。二人は、神様が二人に下さったものを、神様の前に差し出したのでした。

あらかじめ決めておいた日になって聖母の両親は、親類の者たちと、灯をつけた蝋燭を携え、詩編のなかの一つを誦んでいる乙女に 伴 われて、マリヤを神の宮へ連れて行きました。一行が宮に着くと祭司長ザハリヤと他の何人かの祭司たちが会いにやって来ました。周囲の人が驚いたことには、3才の女の子は宮の入り口まで15段の階段を全く一人で登りはじめたのです。それはちょうど、守っている天使に助けられているようでした。女の子は階段の一番上に行くまで止まることはありませんでした。神殿での聖女の進堂は祭司たちの祈祷文や詩編の詠のなかに示されていました。階段の上で女の子は祭司長ザハリヤに会いました。それから、不思議で驚くべきことが起きたのです。それまで神殿の最も重要な場所である至聖所に女性が入ることは一度も許されたことはありませんでした。実を言うと祭司長でさえも一年に一回、斎 と、いけにえを捧げる日にだけ入ることができました。でも今、皆が驚いて見つめているその前で、ザハリヤは聖神に導かれて、宮の最も奥の聖なる部屋、つまり至聖所へと、幼い女の子マリヤをつれて行きました。そのことは、周囲の人を驚かせましたし、さらに、そのことを教会では、聖歌の中で私達にこう伝えています。「天の門は、皆、聖神のなんじのうちに在るを見て驚けり」何年かの後、マリヤは宮で神様のそばにおりましたが、両親はすでに天におられる神様のもとにおり、マリヤは一人のこされておりました。マリヤは子供時代の何年かを、宮で神様のお仕事をすることについやしていました。

マリヤは若い頃から、この世を去るまでの間、ずっと処女として神様のお仕事に専念するように選ばれていることを知っていました。マリヤが12才になると、もう宮に住むことはできません。宮の祭司長と律法学者たちは、マリヤから自分が神様のお考えで処女である、という特別の使命について聞きました。祭司長たちは、一緒にお祈りをして、聖神によって、マリヤを年上の親戚と結婚させることにしました。その人の名前はイオシフ(ヨセフ)と言い、マリヤと同じくダビイド王(ダビデ王)の家系の者でした。マリヤを家に住まわせるために、イオシフ(ヨセフ)がマリヤを連れてきた時、イオシフ(ヨセフ)はすでに80才になっていました。

イオシフ(ヨセフ)がマリヤを支え、マリヤを守り、助けることができるように、そして、神様のお考えがまちがいなく行われるように、二人は結婚しました。

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