12月25日/1月7日 (ユリウス暦/グレゴリオ暦)
出典先:日本聖書協会 新共同訳
(ユリウス暦12月25日/グレゴリオ暦1月7日)
こうして、人間を救うために神様が地上に降る時がきました。清らかな処女マリヤが選ばれており、神の母として働く用意もできておりました。
その頃、この国の支配者でアウグストスと言う人が、国民は皆、自分の生まれた土地に行って特別の税金を収めなければならないと言う法律を布告しました。イオシフ(ヨセフ)もマリヤも偉大なダビイド王(ダビデ王)の子孫でしたので、その税金を収めるためにベツレヘムの町に行かなければなりませんでした。ベツレヘムとナザレとは遠く離れています。それは大変な旅でした、と言うのもイオシフ(ヨセフ)は大変年をとっているし、マリヤも子供がお腹にいたのです。イオシフ(ヨセフ)とマリヤがベツレヘムにたどり着いてみると、二人が泊まれる部屋など一つも残っていません。イオシフ(ヨセフ)は大層心配になりました。この頃は病院というものはなく、しかもマリヤは今にも赤ちゃんが生まれそうなのです。それなのに、二人のための部屋は一つもないのです。イオシフ(ヨセフ)は色々な場所を捜し回り、ついに、かいばおけがおいてある小屋を見つけました。そこは天気が悪いときに牛とか羊を入れておく場所でした。
偉大な預言者ダビド王(ダビデ王)とソロモン王の子孫が、牛や羊と一緒に小屋のなかで耐えていました。
この夜、最も大きな奇跡が起こりました。この、みすぼらしい小屋で私達の神であり、創造主であるイイスス・ハリストス(イエス・キリスト)が、人間を救うために、一人の小さな赤ちゃんとしてこの世に来られました。マリヤは聖なる子を寒くないように布でくるみ、かいばおけの中に寝かせました。でも、このみすぼらしい粗末な場所、永久の子のまわりは、驚くほどに神々しい荘厳な場所でした。
小屋からそれほど遠くないところで、ベツレヘムの純粋 な、信仰深い羊飼いたちが羊の群を見守っていました。何人かは、かたまって話をしていました。たぶん神様と、神様が人間を愛してくださることなどを話していたのでしょう。
と、突然、夜の闇の中から天の光が現れました。それは神様のお使いでした。羊飼いたちは、このような驚くべき様子を見てびっくりしてしまいました。
天使はやさしく言いました。「驚いてはいけません。私は大きな喜びという良い 知らせを持って来ました。きょう、ダビドの町に救い主がお生まれになりました。 この人はイイスス・ハリストス(イエス・キリスト)です。あなた達は、主が布にくるまれて、かいばおけの中に横たわっているのを見るでしょう。」
その時、大勢の天使が突然現れて、喜び、讃美して言いました。「いと高きところでは神に栄光があるように。地の上ではみ心にかなう人々に平安があるように。」
それから天使達は離れました。羊飼いたちは信仰心に震え、「さあ、ベツレヘムに行って、お告げのあったことを見てこようではないか」と言いました。羊飼いたちは出発し、かいばおけの小屋を見付けました。彼らは、かいばおけに寝ている子、イイススを見ると、イイススにおじぎをしました。そして神様を讃美し、野原で起こったあらゆることをイオシフ(ヨセフ)とマリヤに話しました。
マリヤはこれら総てを心に大切に留どめ、神様の素晴らしいお恵みに心から感謝し、神様を讃美しました。
ハリストス(キリスト)がお生まれになった時、神様は三人の、東方に住んでいた博士達にも特別のお告げをもたらしました。この三人の博士達は預言者ダニイル(ダニエル)が書いた救世主のご降誕についての預言書をすでに読んでいました。三人は救世主にお目にかかるために長いこと旅をしてきて、ハリストス(キリスト)を拝みました。こうして、神様は三人の博士を、ベツレヘムのかいばおけの小屋まで来させ、救世主を礼拝させました。三人の博士は大変長い道のりを馬に乗り砂漠を越えて星のように見える光の後をついてやってきたのです。そして、その星は神様が三人のために送ったものでした。三人は御子ハリストス(キリスト)に贈り物を持って来ました。
それは、黄金、乳香、そして没薬と言う良い香りがする油でした。三人は、かいばおけに着くと、ひれ伏して神聖な赤ちゃんを祝福しました。それから、贈り物を置いて、博士たちは神様をほめたたえながら家に帰って行きました。