日本正教会

主の昇天祭

使徒経  聖使徒行実1 : 1 -12

  • 1:1 -2テオフィロさま、わたしは先に第一巻を著して、イエスが行い、また教え始めてから、お選びになった使徒たちに聖霊を通して指図を与え、天に上げられた日までのすべてのことについて書き記しました。
  • 1:3 イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。
  • 1:4 そして、彼らと食事を共にしていたとき、こう命じられた。「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。
  • 1:5 ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである。」
  • 1:6 さて、使徒たちは集まって、「主よ、イスラエルのために国を建て直してくださるのは、この時ですか」と尋ねた。
  • 1:7 イエスは言われた。「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない。
  • 1:8 あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」
  • 1:9 こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。
  • 1:10 イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、
  • 1:11 言った。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる。」
  • 1:12 使徒たちは、「オリーブ畑」と呼ばれる山からエルサレムに戻って来た。この山はエルサレムに近く、安息日にも歩くことが許される距離の所にある。

福音経  ルカ 24:36-53

  • 24:36 こういうことを話していると、イエス御自身が彼らの真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。
  • 24:37 彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。
  • 24:38 そこで、イエスは言われた。「なぜ、うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。
  • 24:39 わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」
  • 24:40 こう言って、イエスは手と足をお見せになった。
  • 24:41 彼らが喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物があるか」と言われた。
  • 24:42 そこで、焼いた魚を一切れ差し出すと、
  • 24:43 イエスはそれを取って、彼らの前で食べられた。
  • 24:44 イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」
  • 24:45 そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、
  • 24:46 言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。
  • 24:47 また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、
  • 24:48 あなたがたはこれらのことの証人となる。
  • 24:49 わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」
  • 24:50 イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。
  • 24:51 そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。
  • 24:52 彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、
  • 24:53 絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。

出典先:日本聖書協会 新共同訳

私達の主イイスス・ハリストスの昇天祭

私達の主イイスス・ハリストスの昇天祭

私達の主イイスス・ハリストスの昇天祭

(復活大祭の40日後の木曜日)

イイススの栄光に満ちた復活の後、私達の主イイスス・ハリストス(イエス・キリスト)はその使徒のところに何回も姿を見せ、神の国について教えられました。これらの教えの全部が福音書に書きしるされているわけではありません。いくつかは聖体礼儀で読まれる使徒行伝のなかに書かれており、さらにその中の幾つかは使徒達が新しい指導者(主教達)に口伝えたものです。これらのものをすべて含め「神聖なる伝統」(聖伝)と言います。

主の復活後40日目に、イイススは最後に使徒たちのところに姿を現されました。使徒たちは連れだってオリーブ山の頂上に向かって歩いていました。私達の親愛な救い主は、そのお弟子さん達に最後の教えをなし、弟子たちを勇気づけていました。イイススは弟子達にエルサレムから離れずに、イイススを中心とした神聖で公なる教会( His Holy Orthodox Church )の上に降ろうとしている[聖神という]特別の贈り物を使徒達が受けるまでエルサレムで待つように言われました。私達の救い主はこう言われました。「イオアン(ヨハネ)はあなた達に水で洗礼を授けた。だが、今、あなた達は聖神によって洗礼を受けるであろう。」 主はそれから使徒達に、御自身はこれから神様を信じる人たちがいる場所を用意するために天国に帰ろうとしていると言われました。主は、この世の終わりの時に は地上に戻り、主に心から従う総ての人たちを集め、主と永遠に暮らすことのでき る天の王国へ案内することを約束されました。

救世主はそれから使徒達に世界各地に行き、イイススについて教え、人々に「父と子と聖神の御名によって」洗礼を授け、主の聖なる教会へと導くように言われました。

それから、私達の救い主は天国へと昇げられました。それを見た使徒達は恐れと喜びでおののきました。使徒達は神様を讃美しながらエルサレムに帰って行き、そこで聖神が降るのを待ちました。

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